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2022年7月27日 23:40

85. 新型コロナウイルス感染後遺症 長患い

 2022年7月、新型コロナウイルスはオミクロン変異株「BA.5」系統が幅をきかし、第7波が隆盛中です。今のところ8月前半あたりにピークとなり、月の後半までもつれこむといわれています。

 一方で「BA.2」系統から変異した75番目亜種「BA.2.75株(ケンタウルス)」も確認されました。

その脅威は爆発的な感染力にあり、第7波が収束しないうちに、これによる第8波の猛威に連なる可能性まで想定されています。

 

 そして相変わらず“コロナ感染後遺症で悩む方”も増えています。

症状が数か月~年の単位で遷延するため、仕事や学校に行けない、家のことが何もできない、など深刻な訴えになっています。

 やはり、“コロナはただの風邪”と割り切ってはいけない印象がぬぐえません。

 

・・・

 さて、

 コロナ感染の結果、全身の倦怠感、精神活動が低下すると、話す言葉に力を欠いたり、目がよどんだりします。顔に艶がなくなり、表情にも覇気がなくなります。

これを漢方では「気虚(ききょ)」といい、このシリーズの別項で説明した「四君子湯(しくんしとう)」が考慮されます。

 

 しかしそれが長患いとなると、さらに低空飛行となるので、お薬にも工夫が必要になります。

 

 例えば、老人のように皮膚が乾燥してきたときです。

枯燥感(こそうかん)は、体の“血水”の不足した兆候であり、体調の重篤性を示します。

 

 血水は身体の根底に存在するガソリンのようなものなので、それを欠くようなら、いわゆるガス欠状態にあることを表します。そうなると、直に車(体)が動かなくなることも必然です。

 実際、年単位でコロナ後遺症に悩んでいる方には、これが見られます。

 これを「血虚(けっきょ)」といいます。西洋医学でいう”貧血や出血”も血虚に含まれるのですが、東洋医学でいうそれのほうが概念としては広いものです。

 

 血虚になると、皮膚枯燥のほかに、目の疲れやすさ、どんより感、集中力の低下、めまいやふらつき症状まで見られます。

また髪の毛が抜けたり白くなってきたりすると、まるで煙にまかれた浦島太郎爺さんのような変化です。

 

 これに対応するために「四物湯(しもつとう)」というお薬があります。

 これは単剤で投与しても良いのですが、

気と血という体を守る二大栄養素がひどく枯渇している状態なら「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」の方がベターです。

なぜなら、それには四君子湯と四物湯がバランスよく配合され、車の両輪のように協調してくれるからです。

 

 そして、

 この十全大補湯には「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」という親戚薬もあります。

これは四君子湯から派生した安神薬である「帰脾湯(きひとう)」にも似ているため、少し精神・神経症状が強い場合に使えるお薬です。

 

 さあ、どうでしょう・・・

これが、長患いのコロナ後遺症にも対応できる漢方オリジナルの世界観です。

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