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2015年11月1日 01:20

5. 「寒」と「熱」の考え方は漢方独特

4)寒熱

漢方では、体の「寒」と「熱」のあり方を大切にしています。熱は、西洋医学では「体温計の温度が、高いか低いか」以外の意味をあまり持ちあわせていませんが、東洋医学では、必ずしも"体温"の問題としていません。それはこの医学の考え方が、体温計などの医療機器が発明された時代より、もっと古い時代に確立されたものだからです。

 

漢方でいう「寒」とは、青い顔色をして、手足が冷たくなっている状態をいいます。胃腸など内臓のはたらきが悪くなることもあります。いわゆる"冷え症"です。

一方「熱」とは、赤い顔色をして、体の各所に熱感がある状態をいいます。胃腸が充実し、便秘のこともあります。

 

実は熱には、いろいろなものがあります。

発熱:私たちの日常生活では「はつねつ」といいますが、漢方では「ほつねつ」とよびます。体の表面に、実際熱がある状態です(実熱)

 

往来寒熱:「おうらいかんねつ」といいます。往来とは「行ったり来たり、あったりなかったり」のという意味なので、悪寒と熱感が交互にやってくる状態のことをいいます。風邪をひいたときに自覚されます。

 

日晡所潮熱:「にっぽしょちょうねつ」と読みます。一日のうち、ある時間になると、潮が満ちてくるように熱感が増し、汗ばんでくる様子です。風邪をひいて数日後、朝のうちは熱が下がり調子が良かったけれど、夕方になってまた熱が上がってしまうなど、よく見られる現象です。ちなみに「日晡所」とは、日暮れ時の午後3~5時頃を指します。 

 

煩熱:「はんねつ」といいます。「煩(はん)」とは「わずらわしさ」を表すので、まさにそのような熱を示します。たとえば、手のひらや足の裏がカッカとほてるわずらわしい様子です。これは、体をうるおす水分が体内でかたよった結果、「熱」と「寒」のバランスが悪くなった状態です。

 

瘀熱:「おねつ」とは、体の奥底にうっ滞する熱をいいます。体が黄色味をおびてくる状態を黄疸(おうだん)といいますが、これは漢方ではこの熱によって生じると説明されています。

 

 さて体内の「寒」と「熱」は、あくまでも相対的な関係にあります。つまり「熱」とは、寒の割合より、熱の度合いが高まった状態にすぎません。

 

それには風邪をひいたときのような発熱(実熱)もあれば、体の熱分の量は変わらないけれど、寒の度合いが低下し、相対的に熱さが増してしまった状態もあります。これを虚熱(きょねつ)といいます。この場合、発熱とは違う治療法を考えます。

 また寒についても同様で、寒の割合が増した「実寒」と、陽気が不足して熱の割合が相対的に低くなって寒さが増した「虚寒(きょかん)」があります。

 

熱というと、西洋医学では単に解熱剤で対処します。しかし東洋医学では、独特な考え方のもと、細かく病態を考えて、治療を行います。

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