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2019年12月30日 16:44

54. 検査でみつからない のぼせ高血圧

血圧が上がる理由は、人それぞれです。

 

・生活スタイルの悪い方

・肥満者、塩分の摂りすぎ・喫煙・飲酒過多の方

コレステロールや糖尿病などを持っている方

睡眠時無呼吸症の方

・腎臓病の方

血圧ホルモンが過剰に分泌される腫瘍のある方、など。

 

上昇した血圧は"命を危険にさらす"病気を発症させるため、西洋医学ではコントロールすることが求められています。そのため降圧薬の使用法についても、目安が定められています。

 

 ただ血圧が上がってしまう方の中に、のぼせが関わっている方もいます。

 

53歳のBさん(女性)。

健康診断の際、血圧が170/105となってしまいました。白衣に緊張したせいか、顔がポッポポッポしていたそうです。

血圧は突発的に上がってしまったようですが、いつも高いわけではなく、安定しているときもあります。ただ上下の変化が激しいのです。西洋医学ではやっぱり降圧薬が処方されてしまいますが、飲んでいてもしっくりきていません。

 

実はBさんは...更年期世代

近頃、生理が不規則になってきており、のぼせやすいのだそうです。そして、のぼせると血圧があがってしまいます。

「血圧が上がるから、のぼせる」とも考えられますが、血圧を記録してみても日常的に高いわけではなさそうです。これでは、本当の意味での高血圧とはいえません。

むしろ「のぼせるときに血圧があがる」としたら、高血圧と診断する前に、のぼせを解決させることが優先です。

 

そこでBさんには、

加味逍遥散エキスに、黄連解毒湯エキスをあわせたお薬を処方してみました。体の中の「血」のめぐりを改善させるお薬に、熱を冷ます薬を併用したのです。これは更年期症に用いられやすい漢方薬です。

お薬は他にも用意できますが、今回はこれで症状が改善され、血圧変動もなくなりました。

 

西洋医学は数値で良し悪しを分けてしまうため、突発的な血圧上昇がのぼせ症状の一つであっても、基準の数値を超えると、降圧薬が処方されてしまいます。

でもそれを使わなくても、漢方薬で"身体の奥にひそむ体のゆがみ"、核心の箇所を整えてあげるだけで、解決の糸口になるのです。

「のぼせ高血圧」は検査では分かりにくいですが、その一例と言えるのです。

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