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2023年11月29日 21:29

101. 婦人科疾患に漢方治療 冷えお血4(温経湯)

 冷えお血の基本薬は「四物湯(しもつとう)」であり、それにはたくさんの派生薬があることを説明しました。

中でも「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は、婦人科を中心に実に頻用されているお薬です。

 

 その当帰芍薬散といえば、

  ◎血(けつ)を調整する生薬(血剤)に

当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・芍薬(しゃくやく)が、

 

 ●水(すい)を調整する生薬(利水剤)に

茯苓(ぶくりょう)・沢潟(たくさしゃ)・朮(じゅつ)が、

含まれていました。

 

 この薬の特徴は、

①四物湯(しもつとう)という冷え症基本薬から発展したお薬であること、以外に

②五苓散(ごれいさん)というむくみの基本薬が含まれていることです。

 

・・・

 今回は、その当帰芍薬散と表裏”の関係にある「温経湯(うんけいとう)」について説明します。

 

 温経湯の構成生薬は、

  ◎血(けつ)を調整する生薬(血剤)として、

当帰(とうき)・川芎(せんきゅう)・芍薬(しゃくやく)と、牡丹皮(ぼたんぴ)が、

 

 ●水(すい)を調整する生薬に

人参(にんじん)、大棗(たいそう)、甘草(かんぞう)、麦門冬(ばくもんどう)、阿膠(あきょう)が、

 

  〇気(き)を調整する生薬(気剤)に

桂皮(けいひ)、半夏(はんげ)が用いられています。

 

 両薬とも四物湯から派生しているため、血のめぐりを改善させる作用は共通です。

ただ当帰芍薬散には「むくみを除く」ための生薬が、温経湯には「潤いをつける」ための生薬が足されており、対症が”真逆”にあることが要です。

 

 すなわち臨床的に、水毒がからむ頭痛、肩こり、めまい、腫れぼったさのある人、足に浮腫のある人、これが当帰芍薬散に最適です。

一方で唇が渇いてむけやすい、手掌が乾燥して火照る人、体がカサカサのしている人、これには温経湯が最適です。

 

 このように病状や状況によってきっちり使い分けられることが、西洋薬にはない漢方薬の特徴といえるのです。

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