「気」は体全体を流れるため、異常が生じると、体の様々な箇所に”ゆがみ”が生じます。
気のゆがみには、次のようなものがあります。
(1)気虚(ききょ)
(2)気うつ
(3)肝気うっ結
(4)気逆(きぎゃく)
病時にみるゆがみ方にはいろいろありますが、大きく2つです。
健康な身体の様子を正円(〇)に例えるなら、ゆがみは、
「内側にへこむようなもの」と、
「円から外側にはみ出すようなもの」です。
円から内側にへこむゆがみとは、モノが不足している状態をいいます。つまり、元気がなく意気消沈、ウツっぽくなっている状態です。
一方、円から外側にはみ出すゆがみとは、モノが過剰になっている状態をいいます。これを「元気」のあり方で表現すると、あふれてしまって、イライラ、かっとなっている状態です。
ここに生じるのが(1)気虚(ききょ)(2)気うつ(3)肝気うっ結(4)気逆(きぎゃく)というわけです。
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「気」の治療の原則は、
気が不足している場合は、気を補うようにします。これは風船を膨らませるようなものです。
気があふれている場合は、削ればよいのですが、気というのものは、体の上方に向かって動いていると考えられているため、下方に押し下げたり、原因を取り除いたりして流れを整えます。
また気はあふれていても、足りなくても、じっと停滞している場合があります。これでは変調が改善しないので、上手にめぐるよう働きかけます。
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気が足りなくなると、元気が無くなります。食べる気力も失せてしまいます。げんなり、げっそり‥という感じです。そのようなときは、食べられるように促します。
食べると眠くなる方もいらっしゃいますが、それは相当胃腸の元気がなく、食べ物も食べる行為でさえ胃腸の負担になっているためです。まずは胃腸を丈夫にして、活力をあげるように持ちあげます。
気は体をめぐり全身のエネルギーが満たされます。そのため、常に動いていることが大切です。そのため滞っているときは、体の各所で気を動かすお薬で治療します。
邪魔な障害物があって、気のめぐりが悪くなっている場合があります。
たとえば食べ物のカス、便、血の塊、痰、冷え、熱などです。これらが気の通路を妨げていると障害物となって気がゆがみます。
またこれが気の渋滞させるので、あふれる原因となります。まるで電車が遅延運休し、駅に人があふれているようなイメージです。
気を正円に近づけるため、原因となっている障害物をみつけ取り除く工夫をします。