血圧が上がる理由は、人それぞれです。
・生活スタイルの悪い方
・肥満者、塩分の摂りすぎ・喫煙・飲酒過多の方
・コレステロールや糖尿病などを持っている方
・睡眠時無呼吸症の方
・腎臓病の方
・血圧ホルモンが過剰に分泌される腫瘍のある方、など。
上昇した血圧は"命を危険にさらす"病気を発症させるため、西洋医学ではコントロールすることが求められています。そのため降圧薬の使用法についても、目安が定められています。
ただ血圧が上がってしまう方の中に、のぼせが関わっている方もいます。
「53歳のBさん(女性)。
健康診断の際、血圧が170/105となってしまいました。白衣に緊張したせいか、顔がポッポポッポしていたそうです。
血圧は突発的に上がってしまったようですが、いつも高いわけではなく、安定しているときもあります。ただ上下の変化が激しいのです。西洋医学ではやっぱり降圧薬が処方されてしまいますが、飲んでいてもしっくりきていません。
実はBさんは...更年期世代
近頃、生理が不規則になってきており、のぼせやすいのだそうです。そして、のぼせると血圧があがってしまいます。
「血圧が上がるから、のぼせる」とも考えられますが、血圧を記録してみても日常的に高いわけではなさそうです。これでは、本当の意味での高血圧とはいえません。
むしろ「のぼせるときに血圧があがる」としたら、高血圧と診断する前に、のぼせを解決させることが優先です。
そこでBさんには、
加味逍遥散エキスに、黄連解毒湯エキスをあわせたお薬を処方してみました。体の中の「血」のめぐりを改善させるお薬に、熱を冷ます薬を併用したのです。これは更年期症に用いられやすい漢方薬です。
お薬は他にも用意できますが、今回はこれで症状が改善され、血圧変動もなくなりました。」
西洋医学は数値で良し悪しを分けてしまうため、突発的な血圧上昇がのぼせ症状の一つであっても、基準の数値を超えると、降圧薬が処方されてしまいます。
でもそれを使わなくても、漢方薬で"身体の奥にひそむ体のゆがみ"、核心の箇所を整えてあげるだけで、解決の糸口になるのです。
「のぼせ高血圧」は検査では分かりにくいですが、その一例と言えるのです。