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2020年9月29日 23:37

63. 検査でみつからない 腰冷え

 76歳女性です。

スーパーのお惣菜売り場に出かけてから、腰がしびれたように冷たくなってしまいました・・

売り場が寒かったせいかもしれません。下半身が凍っているように重だるいのです。

 

・・・・・

 さて、このような時、どこのなに科を受診したら良いのでしょう? 

有名な大学病院、それとも近くの総合病院でしょうか。

内科でしょうか、それとも整形外科でしょうか。

 

西洋医学ではきっと採血やレントゲン、CT検査が行われます。

そして一連の検査のあと、先生から「何ともありませんでした」と説明され、とりあえず安心し「ありがとうございました」と帰ってくることもありそうです。

それで悩みが解決されていれば良いのですが、症状だけ残され何も変わっていないことにあとで気が付かされるのです。(この手の話は、意外に少なくないのです)

 

このような場合おそらく、漢方内科が良いでしょう。

この科では、舌や脈、お腹の診察を通して、虚弱な体質や奥底に潜む冷えを見つけてくれます。

そして、選ばれるお薬に「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」があげられます。

 

苓姜朮甘湯は、中国の古医書『金匱要略(きんきようりゃく)』に

1) まるで水中に座っているような腰冷えの強い方

2) 五千枚のお金をぶら下げているような重だるさを感じている方

に見合うと書かれています。

中には「甘草乾姜湯(かんぞうかんきょうとう)」という体を温める基本薬に、余分な水分を取り除く生薬が配合されています。

 

つまりこのお薬は、

-下半身を水風呂に浸しているように-冷えて生じる腰痛や坐骨神経痛が適応です。しいては、慢性的な水便や夜間頻尿で困っている方にも用いることができます。

 夏の冷房や冬の寒さにより症状が悪化する場合は、附子(ぶし)のような体を温める生薬を足すこともあり、重宝されるお薬の一つとなっています。

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