「気」は体全体を流れるため、異常が生じると、体の様々な箇所に”ゆがみ”が生じます。
漢方古方派の祖『 後藤艮山(ごとうこんざん):1659~1733年』は、著書「師説筆記(しせつひっき)」で「凡そ病の生ずるのは・・皆元気の鬱滞するにより成る也」と記しています。
これを一気留滞説といい、「順気をもって治療の要」と述べています。
さて気のゆがみには、次のようなものがあります。
(1)気虚(ききょ)
(2)気うつ
(3)肝気うっ結
(4)気逆(きぎゃく)
気うつというのは、「気分が晴れない状態」のことをいいましたが、
精神的には、
〇イライラ
〇抑うつ
〇不安
〇焦燥感
などの症状が生じるものです。
このうち“イライラ”は「肝気うっ結」と表現し区別しています。
実はこれが「気うつ」の中でも強い状態であり、専用の薬を選ぶためです。
・・・・
ここで「(肝)気」全身をめぐる状態が、安定した精神状態とすると、肝気うっ結は、
◎精神的ストレスが蓄積して、気がうっ滞した様子
◎自立神経失調症、心身症、更年期障害などが引き起こされた状態
をいいます。
そして、診療の場ではこのような訴えが聞かれます。
- 便秘のせいで、もやもやする。市販薬を飲んでいたが、ぜんぜん駄目
- 指がむくむので、病院で診てもらったが問題がないと言われた。信用できない
- 胸がきゅっ、背中はピリピリ、ズキズキする。ガンが心配で仕方がない
- ストレスで爆食いし、太ってしまった
- 学校の先生が頼りないので、イライラする
- 先生たちは若い人ばかり、子の面倒を見ていないので、腹が立つ
- 子供の思春期と反抗期が重なり、イラッとする
いかにも、顔に怒りマークを表出しながら、怒って、イライラ、うじうじ・・延々
これらは”ストレス反応”によることが多く、なかなか解決しにくいものです。
そのような状態を「肝気うっ結」というわけです。
治療は気うつに用いる理気剤(りきざい)や安神剤(あんしんざい)では治めきれないため、
「疎肝解うつ剤(そかんげうつざい)」を用います。